電気・ガス代補助が2026年夏に再開|単価・期間・事業者の経費処理まで解説
2026年5月26日、政府は予備費から5,135億円の支出を閣議決定し、4月以降止まっていた電気・ガス料金支援を2026年7月使用分から再開することを決めました。標準的な家庭で3か月合計5,000円程度の負担軽減です。家庭は何もしなくても自動で値引きされますが、個人事業主・法人は経費処理で1点だけ注意が必要です。
家庭・事業者ともに申請は一切不要で、契約中の電力・ガス会社が請求額から自動で値引きします。家庭にとっては課税対象外の純粋な負担減ですが、事業で使う電気・ガス代は水道光熱費(経費)が減るため、課税所得はわずかに増える方向に働きます。
何が決まったのか(2026年5月の動き)
- 2026年5月25日 高市首相が補正予算案(規模3兆円強)の編成を表明。
- 2026年5月26日 予備費1兆円から5,135億円の支出を閣議決定。電気・ガス料金支援の再開が確定。
- 2026年7月使用分〜 値引きを実際に適用(請求への反映は8月〜)。
4〜6月使用分は補助のない「空白期間」でした。今回の再開で、冷房需要が高まる夏の時期をカバーします。
ホルムズ海峡をめぐる米国・イランの緊張から原油・LNG価格が高止まりし、その影響が6月頃から電気・ガス料金に反映される見通しです。これに物価高対策を重ねる形で、夏の支援が決まりました。
値引き単価(2026年7〜9月使用分)
電気(低圧/一般家庭・小規模事業者)
| 月 | 値引き単価 |
|---|---|
| 2026年7月使用分 | 3.5円/kWh |
| 2026年8月使用分 | 4.5円/kWh |
| 2026年9月使用分 | 3.5円/kWh |
電気(高圧/中小企業・工場など)
| 月 | 値引き単価 |
|---|---|
| 2026年7月使用分 | 1.8円/kWh |
| 2026年8月使用分 | 2.3円/kWh |
| 2026年9月使用分 | 1.8円/kWh |
都市ガス
| 月 | 値引き単価 |
|---|---|
| 2026年7月使用分 | 14円/㎥ |
| 2026年8月使用分 | 18円/㎥ |
| 2026年9月使用分 | 14円/㎥ |
8月の単価が高く設定されているのは、冷房による電力使用のピークに合わせた設計です。最も電気を使う時期に最も手厚い値引きが効きます。
いくら安くなるか(世帯規模別の目安)
3か月合計の負担軽減額の目安です(電気+都市ガス、使用量により変動します)。
過去の支援との比較
| 時期 | 予算 | 標準家庭の軽減額 |
|---|---|---|
| 2025年夏 | 2,881億円 | 約3,340円 |
| 2026年1〜3月(冬) | — | 約7,300円(電気4.5円/kWh中心) |
| 2026年夏 | 5,135億円 | 約5,000円 |
2026年夏は2025年夏の約1.5倍に拡充されました。
個人事業主・法人が知っておくべき税務上のポイント
電気・ガスを事業に使っている場合、補助のしくみが税金に与える影響を正しく理解しておきましょう。
この支援は現金が振り込まれる給付金ではなく、電力・ガス会社が請求額そのものを値引きするしくみです。帳簿には値引き後の実際の支払額を「水道光熱費」として計上するだけで、補助金を雑収入として別途計上する必要はありません。
経費(水道光熱費)が減る=その分だけ利益=課税所得が増えるということです。
例:事業用の電気代が3か月で6,000円値引き → 経費が6,000円減 → 課税所得が6,000円増
所得税・住民税合わせて税率20%の個人事業主なら、税負担は約1,200円増。
ただし6,000円安く払えているので、手元のキャッシュは差し引き約4,800円のプラス。「税金が増える=損」ではありません。
自宅で仕事をする個人事業主は、電気・ガス代を事業按分(例:事業割合30%)して経費にしているはずです。値引きによる経費減も同じ按分割合で反映されます。プライベート使用分の値引きは税金に影響しません。
まとめ
参照元・公式情報
- 経済産業省 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」
- 資源エネルギー庁「エネルギー価格の支援について」
- 経済産業省 報道発表(電気・ガス料金支援の特例認可・承認)
※本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。値引き単価・期間は今後の公式発表で変わる可能性があります。個別の税務処理は税務署または顧問税理士にご確認ください。
