税金・申告 用語解説
税金・社会保険・補助金でよく出てくる用語を141語、わかりやすく解説します。
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用語索引
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税金の種類
1年間の「所得(もうけ)」に対してかかる国の税金。
毎年1月1日〜12月31日の所得に対して課税される国税です。所得が多いほど税率が上がる累進課税制度を採用しており、税率は5〜45%の7段階あります。
会社員は源泉徴収で毎月天引きされ、年末調整または確定申告で過不足を精算します。個人事業主・フリーランスは原則として確定申告が必要です。
都道府県・市区町村に納める地方税。前年の所得をもとに計算される。
住民税は「道府県民税」と「市町村民税」を合わせた地方税で、税率は合計約10%(均等割を除く)です。前年の所得をもとに計算され、翌年6月から納付が始まる点が所得税と大きく異なります。
会社員は給与から毎月天引き(特別徴収)されます。個人事業主は自分で納付(普通徴収)し、6月・8月・10月・翌1月の年4回払いが基本です。副業がある会社員が「住民税を自分で納付」に設定することで、副業収入が会社に知られにくくなります。
法人の所得(利益)に対してかかる国の税金。
株式会社・合同会社などの法人が、事業で得た所得に対して納める国税です。基本税率は23.2%ですが、資本金1億円以下の中小法人は年800万円以下の所得に対して軽減税率15%が適用されます。
商品・サービスの購入時にかかる税金。現行税率は標準10%・軽減8%。
消費者が負担し、事業者が国に納める間接税です。国税7.8%+地方消費税2.2%で合計10%(食料品等は国税6.24%+地方1.76%=8%)。
前々年の課税売上高が1,000万円を超える事業者は消費税の課税事業者となり、申告・納付義務が生じます。1,000万円以下でも「インボイス登録事業者」になると課税事業者として消費税を納める必要があります。
土地・建物・一定の償却資産に毎年かかる市区町村への税金。
毎年1月1日時点の所有者に対して市区町村が課税します。標準税率は固定資産税評価額の1.4%。都市部では都市計画税(最大0.3%)も合わせて課されます。
個人事業主や法人が事業用に取得した機械・設備等(償却資産)も課税対象です。1月31日までに償却資産申告書を市区町村に提出します。
事業を行う個人・法人に課される都道府県税。
個人事業主の場合、事業所得から「事業主控除290万円」を差し引いた金額に対して業種別の税率(3〜5%)が適用されます。所得が290万円以下なら事業税はかかりません。
法人の場合は法人事業税として所得や外形標準(大法人)に応じて課税されます。なお、個人の事業税は翌年8月・11月の2回に分けて納付します。
亡くなった人の財産を相続したときにかかる税金。
遺産総額から基礎控除額(3,000万円 + 600万円×法定相続人数)を差し引いた金額が課税対象です。税率は10〜55%の累進課税。申告・納付期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
1年間に受け取った贈与(もらった財産)にかかる税金。
暦年課税では、1月1日〜12月31日に受け取った贈与の合計から基礎控除110万円を差し引いた額に対して課税されます。税率は10〜55%の累進課税。翌年2月1日〜3月15日に申告・納付します。
2024年から「相続時精算課税制度」も改正され、毎年110万円の基礎控除が使えるようになりました。
給与・報酬・配当などを支払う際にあらかじめ差し引く所得税。
支払者(会社・クライアント等)が、受取人の代わりに税を天引きして国に納める仕組みです。給与・フリーランス報酬・原稿料・株式配当などが対象。フリーランスへの報酬には原則10.21%が源泉徴収されます。
申告・手続き
1年間の所得と税額を自分で計算して申告・納税する手続き。
毎年2月16日〜3月15日に、前年(1〜12月)の所得をもとに所得税を計算して税務署に申告します。個人事業主・フリーランスは原則必須。会社員でも副業所得20万円超・医療費控除・住宅ローン初年度などは申告が必要です。
会社が従業員に代わって行う1年間の所得税の精算手続き。
毎月の源泉徴収は概算税額なため、年末に正確な税額を再計算し、過払いなら還付、不足なら追加徴収します。給与所得者のほとんどはこれで確定申告不要となります。
生命保険料控除・地震保険料控除・配偶者控除・扶養控除・住宅ローン控除(2年目以降)などを申告書で申請します。対象期間は10〜12月で、給与明細への反映は12月給与または賞与が多いです。
複式簿記等の帳簿をつけることで様々な税制優遇が受けられる申告方式。
事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります(開業から2ヶ月以内 or 前年12月15日まで)。最大のメリットは青色申告特別控除(e-Tax利用で65万円、紙申告で55万円)です。
そのほか、赤字の3年間繰越、家族への青色専従者給与の経費算入、少額減価償却資産の特例(30万円未満を一括経費化)なども利用できます。
青色申告の承認を受けていない事業者が行う通常の申告方式。
帳簿の要件が青色申告より緩やかですが、青色申告特別控除・赤字繰越・青色専従者給与などの特典は受けられません。収支内訳書を確定申告書に添付して提出します。
白色申告でも帳簿の作成・7年間保存の義務はあります(2014年以降)。特段の理由がなければ青色申告への切替を検討することをお勧めします。
給与・報酬を支払う側があらかじめ税を差し引いて国に納める仕組み。
支払者(会社・クライアント等)が受取人に代わって所得税を天引きし、翌月10日(または特例で7月・1月)までに納付します。給与のほか、フリーランスへの報酬(デザイン・原稿料等)、弁護士・税理士報酬なども対象です。
1年間の給与支払額・源泉徴収税額などを記載した証明書。毎年1月頃に会社から交付される。
確定申告の際に必要となる重要書類です。「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」の4項目が特に重要です。
複数の会社に勤務した場合は各社から交付されます。退職した場合は退職後1ヶ月以内に交付されます。紛失した場合は会社の給与担当部署に再発行を依頼できます。
国税庁が提供するインターネットを通じた国税の申告・納付システム。
確定申告・法人税申告・消費税申告などをオンラインで行えます。マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、税務署に行かずに手続き可能です。
個人事業主が青色申告でe-Taxを利用すると青色申告特別控除が65万円に増額されます。資本金1億円超の大法人はe-Taxによる電子申告が義務化されています。
地方税(住民税・事業税等)をオンラインで申告・納付できる電子申告システム。
都道府県・市区町村への地方税手続きをまとめてオンラインで行えます。個人住民税の申告のほか、法人住民税・法人事業税の申告も対応しています。
資本金1億円超の法人は、法人住民税・法人事業税の電子申告(eLTAX)が義務化されています。
国税庁の出先機関。確定申告の受付・税務調査・納税相談などを行う。
全国に524署あり、住所地を管轄する税務署に申告・納付を行います。確定申告期間中(2/16〜3/15)は相談窓口が混雑するため、e-Taxの活用や早めの来署が推奨されます。
開業・廃業届、青色申告承認申請書、各種届出書の提出先でもあります。
所得・課税
事業・給与・投資などで受け取った金額の合計(経費を引く前)。
「売上」や「給与の額面」がこれにあたります。税金は収入に直接かかるのではなく、収入から経費や控除を差し引いた「所得」に対してかかります。
収入と所得を混同しやすいですが、収入 − 経費 = 所得と覚えておきましょう。
収入から必要経費を差し引いた「もうけ」の金額。税金の計算はここから始まる。
所得は10種類に分類されます(給与所得・事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・山林所得・退職所得・譲渡所得・一時所得・雑所得)。種類によって計算方法や税率の扱いが異なります。
税率をかける直前の金額。所得から各種所得控除を引いた額。
課税所得に税率をかけて税額控除を引くと、最終的な納税額が算出されます。所得控除を増やすほど課税所得が下がり、税負担が軽くなります。
所得が多いほど高い税率が適用される課税方式。
日本の所得税は超過累進税率を採用しており、課税所得の金額によって税率が段階的に上がります。ただし、高い税率が全体にかかるのではなく、各ブラケットを超えた部分にだけ高い税率が適用されます。
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
課税対象額に対してかける税の割合(%)。
所得税は5〜45%の超過累進税率、住民税は一律約10%、法人税は15〜23.2%が主な税率です。消費税は標準10%・軽減8%。同じ「税率」でも、所得税のように段階的に上がるものと、消費税のように一律のものがあります。
納めすぎた税金が戻ってくること。確定申告・年末調整後に銀行振込で返金される。
会社員が年末調整で各種控除を申請した結果、源泉徴収額が多すぎた場合に12月給与や賞与と一緒に戻ってきます。確定申告での還付は、申告から1〜2ヶ月後に指定口座に振り込まれます。
e-Taxを使って申告すると、還付金が届くまでの期間が短くなる傾向があります。
税務調査や申告誤りで、本来納めるべき税額が不足していると判明した場合に追加徴収される税金。
申告漏れや誤りがあった場合、本税に加えて「過少申告加算税(10〜15%)」または「無申告加算税(15〜20%)」と「延滞税(年8.7%程度)」が課されます。悪質な場合は「重加算税(35〜40%)」となります。
申告前に自ら誤りを修正(更正の請求・修正申告)した場合はペナルティが軽減または免除されます。
控除
所得から差し引くことで課税所得を減らし、税負担を軽くする控除。全15種類。
「所得」から差し引くことで課税所得を圧縮します(税率をかける前に引く)。主な種類:基礎控除・配偶者控除・扶養控除・医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCoなど。
所得控除は「税率をかける前」に差し引くため、税率が高い人ほど節税効果が大きくなります(例:税率20%なら控除100万円で税額20万円減)。
計算した税額から直接差し引く控除。所得控除より節税効果が大きい。
所得控除が課税所得を減らすのに対し、税額控除は算出した税額そのものから差し引きます。たとえば住宅ローン控除(控除額10万円)なら、所得に関係なく税額が10万円減ります。
納税者全員が受けられる基本的な控除。合計所得2,400万円以下なら58万円。
申告の要不要にかかわらず、所得のある全ての人に適用されます。合計所得2,400万円超から段階的に減額され、2,500万円超では0円になります。住民税の基礎控除は53万円です。
会社員・アルバイト等の給与所得者に自動適用される概算経費控除。
給与収入から一定額を差し引いて給与所得を算出するための控除です。収入162.5万円以下なら65万円、収入が増えるほど控除額も増え、収入850万円超で上限195万円となります。
個人事業主の「必要経費」に相当する制度で、申請不要で自動計算されます。
配偶者の所得が一定以下の場合に受けられる控除。最大38万円。
配偶者の合計所得が62万円以下(給与収入なら136万円以下/令和8年分。令和7年分は58万円・123万円)で、かつ納税者本人の合計所得が1,000万円以下の場合に最大38万円(70歳以上の配偶者は48万円)の控除が受けられます。
配偶者の所得が62万円超133万円以下(令和8年分から。令和7年分は58万円超)の場合は「配偶者特別控除」として最大38万円が段階的に適用されます。
所得62万円以下(令和8年分から。令和7年分は58万円)の親族(子・親等)を養っている場合に受けられる控除。
扶養親族の年齢によって控除額が異なります。一般扶養(16〜18歳・23〜69歳)は38万円、特定扶養(19〜22歳)は63万円、老人扶養(70歳以上)は同居58万円・別居48万円です。
16歳未満の子は扶養控除の対象外(児童手当の関係)です。年末調整の扶養控除等申告書で申請します。
年間医療費が10万円を超えた分を所得から控除できる制度。上限200万円。
自分や家族の医療費(診察・薬代・入院費・歯科治療等)の合計から10万円(合計所得200万円未満の場合は所得の5%)を超えた金額が控除対象です。保険で補填された金額は差し引きます。
会社員は年末調整では申請できないため、確定申告が必要です。領収書は5年間保管が必要です。市販薬の購入費も一定条件でセルフメディケーション税制の対象になります。
健康保険・年金・雇用保険等の保険料を全額所得控除できる制度。
1年間に支払った社会保険料の全額が控除対象です。会社員の場合は給与天引き分が源泉徴収票に記載されており、年末調整で自動反映されます。国民健康保険・国民年金を自分で支払っている個人事業主は、確定申告時に申請します。
家族の分を支払った場合も、自分の控除として申請可能です。
生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料に応じた控除。合計最大12万円。
「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3区分があり、それぞれ最大4万円(新契約)、合計最大12万円が所得控除されます。保険会社から届く「控除証明書」が必要です。
地震保険の保険料を最大5万円所得控除できる制度。
居住用家屋・生活用動産を対象とした地震保険料が対象です。支払額が5万円以下は全額、5万円超は一律5万円が控除額となります。保険会社から届く控除証明書を年末調整または確定申告で使用します。
住宅ローンの年末残高の0.7%を税額から直接差し引ける制度。最長13年間。
マイホーム購入・増改築時に利用できる税額控除です。年末のローン残高×0.7%が年間の控除額となり、控除期間は新築・認定住宅で最長13年(中古は10年)です。
初年度は確定申告が必須。2年目以降は年末調整で申請可能です。控除額が所得税から引ききれない場合は住民税からも一部控除されます。
青色申告を選択した個人事業主が受けられる特別控除。e-Tax利用で最大65万円。
複式簿記で記帳しe-Taxで申告:65万円控除/複式簿記で記帳し紙申告:55万円控除/簡易簿記:10万円控除の3段階があります。
65万円控除(税率20%の場合)で最大13万円の節税効果があります。個人事業主が取り組む節税策の中でも特に効果が大きいものの一つです。
令和9年分(2027年分)から3段階の中身が変わります。控除は75万円・65万円・10万円になり、55万円の区分は無くなります。e-Taxが65万円の必須要件になるため紙で申告する場合の上限は10万円に下がり、簡易簿記で前々年の収入金額が1,000万円を超える人は控除がゼロになります(解説)。
全国の自治体に寄附することで返礼品を受け取りながら税控除が受けられる制度。
寄附額から自己負担2,000円を除いた全額が所得税・住民税から控除されます。控除上限額は年収や家族構成によって異なります。確定申告不要の「ワンストップ特例」(5自治体以内への寄附者向け)を利用できます。
ただし、ワンストップ特例を利用した場合でも確定申告をすると特例が無効になるため注意が必要です。
配偶者の所得が配偶者控除の枠を超えたあとも、段階的に受けられる控除。
配偶者の合計所得が62万円超133万円以下のときに適用され、所得が増えるにつれて控除額が段階的に小さくなります(令和8年分。令和7年分は58万円超)[国税庁 No.1180]。
配偶者控除から急にゼロになるのを防ぐ仕組みです。本人の合計所得が1,000万円を超えると使えません。税の扱いと社会保険の被扶養者の判定は別の基準なので、混同しないようにします。
生計を同じくし、合計所得金額が48万円以下の親族。控除の対象になる。
配偶者以外の親族が対象で、16歳以上なら扶養控除が使えます(16歳未満は児童手当があるため控除はありません)。
別居していても、仕送りなどで生計が一つなら該当します。非課税の障害年金や遺族年金は、この48万円には含めません。
ひとり親や、離婚・死別した人の税負担を軽くする所得控除。
ひとり親控除は35万円。婚姻歴を問わず、生計を同じくする子がいて合計所得500万円以下の人が対象です。
寡婦控除は27万円で、ひとり親控除に当たらない女性が対象です。どちらか一方だけを適用します。
本人や扶養する家族が障害者に当たるときの所得控除。
一般の障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居している特別障害者は75万円です。
家族の分も対象になります。要介護認定を受けている高齢の親が市区町村から「障害者控除対象者認定書」を受けられる場合があり、見落としの多い控除です。
働きながら学ぶ学生の税負担を軽くする、27万円の所得控除。
合計所得金額85万円以下(給与だけなら年収150万円程度まで)などの条件があります。
本人の税金は軽くなりますが、親の扶養控除の判定は別の基準(合計所得48万円以下)です。使った結果として親の税金が増えることがあるため、世帯全体で見て判断します。
災害・盗難・横領で生活用の資産に損害を受けたときの所得控除。
損失額から保険金などを差し引いた残りをもとに計算し、その年に引き切れない分は3年間繰り越せます。
災害の場合は災害減免法による所得税の軽減・免除と、有利なほうを選べます。詐欺や恐喝による損失は対象外です。
国や自治体、認定NPO法人などへの寄附を所得から差し引ける控除。
ふるさと納税はこの寄附金控除の仕組みを使った制度です。対象になる寄附先は法律で決まっており、任意の団体への寄附は対象外です。
認定NPO法人・公益社団法人などへの寄附は、所得控除ではなく税額控除を選べる場合があり、通常は税額控除のほうが有利になります。
小規模企業共済やiDeCoの掛金を、全額そのまま所得から引ける控除。
払った掛金が全額所得控除になるのが特徴です。小規模企業共済は月1,000円〜7万円、iDeCo(イデコ)は立場ごとに上限があり、両方を上限まで使えます(合算ではありません)。
受け取るときは一時金なら退職所得、分割なら公的年金等の扱いになります。出口の課税まで含めて設計します。
経費・会計
事業の収入を得るために使った費用。収入から差し引いて所得を計算する。
事業に必要な支出であれば経費として認められ、収入から差し引くことで課税所得を下げられます。主な経費:家賃(事業用部分)・通信費・交通費・仕入れ・広告費・外注費・水道光熱費・消耗品費・減価償却費など。
プライベートと事業の両方に使うものは「按分」して経費計上します。経費として認められるには「事業との関連性」と「証拠書類(領収書)」が重要です。
パソコン・車・機械など高額な資産の購入費を、耐用年数にわたって分割して経費計上する仕組み。
10万円以上の資産は原則として一括で経費計上できず、法定耐用年数(パソコン4年、普通乗用車6年など)に応じて毎年少しずつ費用化します。これが減価償却費です。
青色申告の個人事業主・中小法人は、30万円未満の資産を取得年に一括経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が利用できます。
事業とプライベートの両方に使う費用を、使用割合で分けて経費計上する方法。
自宅で仕事をする場合、家賃・水道光熱費・インターネット代などを「仕事使用割合」で按分します。例:仕事部屋が全体の20%の面積なら家賃の20%を経費計上可能。スマートフォンは仕事利用50〜80%が目安です。
按分の根拠(面積・時間・件数など)を客観的に示せるよう記録しておくことが大切です。
収入・支出を日々記録する台帳。確定申告の基礎となる書類で、原則7年間の保存義務がある。
青色申告(65万円控除)では複式簿記による帳簿(仕訳帳・総勘定元帳)が必要です。白色申告でも簡易な帳簿(収支内訳書ベース)の作成が義務付けられています。
クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)を使えば、銀行・クレジットカードの明細を自動取得してほぼ自動で帳簿が作成されます。
すべての取引を「借方(左)」「貸方(右)」に分けて記録する複式簿記の基本操作。
例:交通費3,000円を現金で支払った場合 → 借方「旅費交通費 3,000円」、貸方「現金 3,000円」と記録します。複式簿記では必ず借方と貸方が一致します。
クラウド会計ソフトを使えば多くの仕訳が自動提案されるため、簿記の知識がなくても帳簿をつけられます。
ある時点での「資産・負債・純資産」を一覧にした財務表。バランスシート(B/S)とも呼ぶ。
左側(借方)に資産(現金・預金・売掛金・固定資産等)、右側(貸方)に負債(借入金・未払金等)と純資産(資本金・利益剰余金等)を記載します。左右の合計は必ず一致します。
青色申告65万円控除には貸借対照表の提出が必要です。法人は決算時に必ず作成します。
一定期間の収益・費用・利益をまとめた財務表。プロフィット・ロス(P/L)とも呼ぶ。
売上高から売上原価・販管費・営業外損益・特別損益を順に差し引いて最終的な当期純利益(または損失)を示します。法人税や所得税の計算の基礎となります。
個人事業主の確定申告では「収支内訳書」(白色)または「青色申告決算書」(青色)がP/Lに相当します。
制度・サービス
毎月の掛金が全額所得控除になる、自分で運用する私的年金制度。
掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)となり、運用益も非課税、受取時も退職所得控除・公的年金等控除が使えます。会社員は月最大2.3万円(企業年金なしの場合)、個人事業主は月最大6.8万円まで拠出可能です。
原則60歳まで引き出せない点に注意が必要です。
株・投資信託等の運用益・配当が非課税になる投資優遇口座。年間最大360万円まで投資可能(新NISA)。
2024年から新NISAに刷新され、「つみたて投資枠(年120万円)」と「成長投資枠(年240万円)」の合計年360万円、生涯投資上限1,800万円が非課税で運用できます。非課税期間は恒久化されました。
iDeCoと異なり、いつでも引き出せます。ただし、掛金の所得控除はなく、節税効果は運用益が出た場合のみです。
日本国民・在留外国人に割り当てられた12桁の個人識別番号。税・社会保障の手続きに必要。
確定申告書・源泉徴収票・各種控除証明書などにマイナンバーの記載が必要です。マイナンバーカード(写真付きICカード)はe-Taxでの電子申告や、コンビニでの住民票取得にも使えます。
他人にむやみに教えてはいけません。漏洩・不正利用には刑事罰があります。
会社員以外(個人事業主・無職等)が加入する公的医療保険。前年所得をもとに保険料が決まる。
保険料は自治体によって異なりますが、前年の所得に応じた「所得割」と世帯人数に応じた「均等割」等で計算されます。会社員の社会保険(協会けんぽ等)より保険料が高くなるケースが多いです。
支払った保険料は全額社会保険料控除として確定申告で申請できます。
20〜60歳の全ての人が加入する公的年金(第1号・第2号・第3号被保険者)。
自営業・フリーランス(第1号被保険者)の月額保険料は約16,980円(2024年度)で、全額を自己負担します。支払った保険料は全額社会保険料控除の対象です。
保険料をまとめて前払い(前納)すると割引があります。また、所得が少ない場合は免除・猶予制度が利用できます(ただし将来の受給額に影響)。
マイナンバーカードを健康保険証として使う仕組み。
医療機関の窓口で読み取ると、限度額適用認定証がなくても高額療養費の上限までの支払いで済みます。
帳簿や領収書を電子データで保存するときのルールを定めた法律。
メールやウェブでやり取りした請求書・領収書などの電子取引データは、紙に印刷して保存するのではなくデータのまま保存することが原則として義務づけられています。
日付・金額・取引先で検索できる状態にする、改ざん防止の措置をとるといった要件があります。紙で受け取った書類のスキャン保存は任意です。
法人特有の用語
事業年度末に財務状況を締めくくり、財務諸表を作成する手続き。
↑ 索引へ戻る事業年度の途中(6ヶ月経過後)に法人税等を仮払いする申告手続き。
前事業年度の法人税額が20万円超の法人は、事業年度開始から6ヶ月後に中間申告と納付が必要です。方法は2つ:①予定申告(前年度法人税額の半額を自動納付)②仮決算(中間期間の実績に基づいて計算)。業績が前年より悪化している場合は仮決算が有利なことがあります。
法人税申告書に添付する計算明細書類の総称。別表一〜別表十六等で構成される。
主な別表:別表一(法人税額の計算)・別表四(所得計算)・別表五(利益積立金・資本金等)・別表六(税額控除)・別表七(繰越欠損金)・別表十六(減価償却)など。
申告ソフト(弥生・freee申告等)を使うと、決算書の数値から自動で別表が生成されます。
法人の取締役・監査役等が受け取る報酬。原則として事業年度開始から3ヶ月以内に金額を決定・固定する必要がある。
税務上の損金(経費)として認められるのは「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」の3種類です。最も一般的な定期同額給与は、毎月同額を支払う方式で、年度途中の増減は原則として損金不算入となります。
役員報酬は法人の利益を圧縮する節税手段として重要ですが、高すぎると「不相当に高額」として一部損金不算入になる場合があります。
退職時に支給される一時金。受け取る側の税負担が極めて軽く、支払う法人側も全額損金算入できる。
受取側:退職所得控除(勤続年数×40万円など)を差し引いた後、さらに2分の1課税となり、通常の給与と比べて大幅に税率が低くなります。支払側(法人):適正額であれば全額損金算入でき、法人税を圧縮できます。
役員退職金の適正額の目安は「最終月額報酬 × 勤続年数 × 功績倍率(通常2〜3倍)」です。
赤字(欠損金)を翌年度以降に繰り越して、将来の黒字と相殺できる制度。最長10年間繰越可能。
法人の場合、青色申告法人であれば欠損金を最長10年間繰り越し、将来の所得と通算できます。中小法人は所得全額との相殺が可能(大法人は所得の50%まで)。
個人の青色申告でも純損失の3年間の繰越控除が認められており、赤字年度の翌年以降の所得と相殺できます。
法人税・法人住民税・法人事業税をすべて合わせた実質的な税負担率。中小法人は約30〜34%程度。
法人の実際の税負担は法人税単体ではなく、法人住民税(地方税)と法人事業税(地方税)を合わせて考える必要があります。法定実効税率の計算式:
東京都の標準的な中小法人(資本金1億円以下、年所得800万円超)の場合、約33〜34%程度です。
社会保険料や税金の設計のために作る、代表者1人規模の小さな法人。
個人事業を続けたまま別の事業を法人で営み、法人から低い役員報酬を取って社会保険に加入する形が典型です。保険料は標準報酬月額だけで決まるため、個人事業の所得が大きい人ほど国民健康保険との差が出ます。
ただし役員報酬がゼロでは加入できません。2026年3月18日・9月14日の厚生労働省の通知で、経営に参画する経常的な労務の提供があるかが判断基準として明示されており、実態のない法人は否認される余地があります。法人住民税の均等割と決算の費用も必ずかかります。
出資者が経営も行う、設立しやすい法人の形態。
株式会社より設立費用が安く(登録免許税は最低6万円)、決算公告の義務もありません。出資者は「社員」、経営する人は「業務執行社員」「代表社員」と呼びます。
税金の扱いは株式会社と同じで、法人税・法人住民税の均等割・社会保険の扱いも変わりません。マイクロ法人に選ばれやすいのは、この設立コストの差によるものです。
所得の種類・課税方式
所得を発生の仕方で10種類に分ける区分。区分ごとに計算方法や課税の扱いが違う。
所得税では所得を次の10種類に区分します:給与所得・事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得。
どの区分になるかで、経費の範囲・損益通算の可否・税率(総合課税か分離課税か)が変わります。たとえば同じ「部屋を貸す」でも、一般的な賃貸は不動産所得、民泊は原則雑所得と区分が異なります。
会社員・アルバイト等が勤務先から受け取る給与・賞与による所得。
給与所得は源泉徴収と年末調整で精算されるため、多くの会社員は確定申告が不要です。2か所以上から給与を受ける人や、給与以外の所得が20万円を超える人は確定申告が必要になります。
個人事業主・フリーランスが事業から得る所得。収入から必要経費を引いて計算する。
継続的・反復的に営利目的で行う事業から生じる所得です。青色申告を選ぶと最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰越などが使えます。赤字は他の所得と損益通算できます。副業でも、帳簿を備え付けて事業として営んでいれば事業所得となる場合があります(規模・継続性で判断)。
他の9種類のどれにも当てはまらない所得。副業・年金・暗号資産・民泊などが該当。
公的年金等、副業の原稿料・アフィリエイト収入、暗号資産(仮想通貨)の売却益、民泊収入などが雑所得の代表例です。会社員の副業は原則この雑所得(業務に係る雑所得)になります。
重要な注意点として、雑所得の赤字は給与所得など他の所得と損益通算できません。「副業を赤字にして給与の税金を取り戻す」はできない点に注意が必要です。給与以外の所得(雑所得を含む)が年20万円を超える会社員は確定申告が必要です。
土地・建物などの貸付けによる所得。家賃・地代・更新料などが該当する。
アパート・マンション・駐車場などの賃貸収入が対象です。赤字は他の所得と損益通算できます(ただし土地取得のための借入金利子など一部制限あり)。なお、宿泊サービスを伴う民泊は不動産所得ではなく原則雑所得に区分されます。
ある所得の赤字を他の所得の黒字と相殺して、全体の課税所得を減らす仕組み。
損益通算できるのは原則、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つの赤字に限られます(頭文字で「不事譲山(ふ・じ・じょう・さん)」)。これらの赤字は給与所得などの黒字と相殺でき、税負担が下がります。
一方、雑所得の赤字は損益通算できません。副業が雑所得の場合、赤字はその年で切り捨てとなり、給与の税金は取り戻せません。
特定の所得を他の所得と合算せず、分けて税率をかける課税方式。総合課税の対義語。
給与や事業所得などを合算して累進課税する「総合課税」に対し、分離課税は特定の所得を切り離して独自の税率で課税します。退職所得、土地・建物の譲渡所得、株式の譲渡益・配当(申告分離)などが対象です。
例:株式の譲渡益・配当は、給与の額に関係なく一律約20%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税)で課税されます。
懸賞金や生命保険の満期金など、一時的・偶発的に得た所得。
補助金・助成金や給付金、移住支援金などもここに入ります。営利を目的とする継続的な行為から生じたものは除かれます。
年50万円の特別控除があり、それを超えた部分の2分の1だけが課税対象になります。そのため多くのケースでは税金がかかりません。総合課税で他の所得と合算します。
退職金として受け取るお金の所得区分。税負担が大きく軽くなる。
勤続年数に応じた退職所得控除を引き、さらに2分の1にしてから課税します(勤続5年以下の役員等は2分の1にできません)。他の所得と分けて計算する分離課税です。
iDeCo(イデコ)を一時金で受け取る場合も退職所得です。勤務先の退職金と控除の枠を共有するため、受け取る順番と時期で税額が変わります(重複を防ぐ調整期間は2026年1月から5年→10年に延長)。
退職所得控除額:勤続20年以下=40万円×年数(最低80万円)/20年超=800万円+70万円×(年数−20年)
土地・建物・株式・金地金などを売って得た所得。
何を売ったかで課税方法が変わります。土地・建物と株式等は分離課税で、上場株式等は20.315%、不動産は所有期間5年超で20.315%・5年以下で39.63%です。
金地金やゴルフ会員権などは総合課税で、50万円の特別控除があります。生活用動産(通常の家具や衣服など)の売却は原則として課税されません。
消費税・インボイス
2023年10月開始。適格請求書(インボイス)がないと消費税の仕入税額控除ができない制度。
買い手が支払った消費税を差し引く(仕入税額控除する)ためには、売り手が発行した「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になりました。インボイスを発行できるのは、税務署に登録した課税事業者(登録事業者)だけです。
そのため、これまで消費税を納めていなかった免税事業者も、取引先から求められて登録・課税事業者化する例が増えました。負担を抑える「2割特例」などの経過措置があります。
消費税の納税義務がある事業者(課税)と、義務が免除される事業者(免税)の区分。
原則として、基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者となり、消費税の申告・納付義務が生じます。1,000万円以下なら免税事業者です。
ただしインボイス制度に登録すると、売上に関係なく課税事業者になります。新規開業直後は基準期間の売上がないため、原則2年間は免税事業者となるのが一般的です。
売上にかかる消費税に業種別の「みなし仕入率」をかけて納税額を計算する簡便な方法。
基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が、事前届出により選べる計算方式です。実際の仕入れにかかった消費税を集計せず、売上の消費税 ×(1 − みなし仕入率)で納税額を求めます。みなし仕入率は業種で異なります(卸売90%・小売80%・製造70%・サービス50%など)。
実際の仕入れが少ない業種(サービス業など)では、本則課税より有利になることがあります。一度選ぶと原則2年間は継続が必要です。
インボイスを発行できる、税務署に登録した課税事業者。
登録すると「T」から始まる登録番号が交付され、これを記載した請求書がインボイスになります。登録番号は国税庁の公表サイトで誰でも確認できます。
登録すると課税事業者・免税事業者のうち免税事業者には戻れず、消費税の申告が必要になります。取引先が仕入税額控除を必要とするかどうかで判断します。
売上で受け取った消費税から、仕入れで払った消費税を差し引く仕組み。
消費税の納付額はこの差額で決まります。差し引くには原則としてインボイス制度のインボイス(適格請求書)の保存が必要で、免税事業者からの仕入れでは原則として引けません。
簡易課税や2割特例は、この差し引きの計算を売上だけで済ませる方法です。実際の仕入れが少ない業種はそちらが有利になりやすくなります。
インボイス登録で課税事業者になった人が、売上の消費税の2割だけ納めればよい経過措置。
免税事業者からインボイス登録した事業者向けの負担軽減策です。届出は不要で、申告のときに選べます。
2026年9月で終了し、その後は個人事業主向けに3割特例(2027〜2028年)が用意されています。終了後は簡易課税と本則課税のどちらが有利かを選び直すことになります。
消費税を納める義務があるかを判定するための、過去の期間。
個人事業主は前々年、法人は前々事業年度です。この期間の課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者になります。
簡易課税を選べるのも基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合で、事前の届出が必要です。基準期間が1,000万円以下でも、特定期間(前年の上半期)の売上等で課税事業者になることがあります。
飲食料品と定期購読の新聞にかかる、8%の消費税率。
標準税率10%に対する例外です。対象は「人の飲用・食用」に供される飲食料品(酒類・外食を除く)と、週2回以上発行される新聞の定期購読に限られます。
店内で食べれば10%、持ち帰りなら8%と分かれます。2つの税率が混在するため、請求書では税率ごとに区分した記載が必要になりました。
その他のよく使う制度・用語
確定申告をしなくてもふるさと納税の控除が受けられる、会社員向けの特例制度。
ふるさと納税で、①確定申告が不要な給与所得者で、②寄附先が年間5自治体以内の場合に使えます。各自治体に申請書を送るだけで、寄附額から2,000円を引いた全額が翌年度の住民税から控除されます。
注意点:医療費控除などで確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になります。その場合は寄附分もあわせて確定申告に記載する必要があります。
住民税の2つの納め方。給与天引きが「特別徴収」、自分で納付が「普通徴収」。
特別徴収は、会社が毎月の給与から住民税を天引きして本人に代わって納める方法(6月〜翌5月の12回)。会社員は原則これです。普通徴収は、送られてくる納付書で自分で納める方法(原則年4回)。個人事業主や、副業分を会社に知られたくない会社員が選びます。
副業がある会社員は、確定申告書で住民税を「自分で納付(普通徴収)」に選ぶと、副業分の住民税が会社の給与天引きに合算されにくくなります。
国・自治体が事業者に支給する返済不要の資金。原則として課税所得になる。
助成金は要件を満たせば原則受給でき、補助金は審査で採択先が決まるものが多い、という違いがあります。多くは後払い(精算払い)で、いったん自己資金で立て替える必要があります。
税務上の注意:受け取った補助金・助成金は原則として課税所得(法人は益金、個人事業は事業所得の収入)です。補助金で固定資産を買った場合は、圧縮記帳で課税を翌年以降に繰り延べられます。
補助金等で固定資産を取得したとき、その年の課税を翌年以降へ繰り延べる会計処理。
補助金は受け取った年に一括で課税されるため、そのままでは「補助金をもらった年に税負担が急増」します。圧縮記帳は、取得した固定資産の帳簿価額を補助金相当額だけ減らすことで、その年の利益(課税)を抑え、以後の減価償却費の減少を通じて課税を先送りする仕組みです。
あくまで課税の「繰り延べ」であり、非課税になるわけではありません。青色申告の個人・法人が利用できます(処理が複雑なため税理士への相談が安心)。
ホテル・旅館・民泊などの宿泊に対して自治体が課す地方税(法定外税)。
宿泊者が負担し、宿泊施設が預かって自治体に納める税です。東京都・大阪府・京都市・北海道・福岡県など導入自治体が拡大しており、税額は「1人1泊◯円」の定額制や宿泊料金に対する定率制など自治体ごとに異なります。民泊(住宅宿泊事業)も課税対象に含まれるのが一般的です。
事業者側では、預かった宿泊税は売上ではなく預り金として処理し、宿泊料と分けて管理します。税額・免税点・施行時期は自治体・年度で変わるため最新は各自治体の公式で確認します。
世帯の全員に住民税の所得割・均等割がかからない世帯。
判定の基準は自治体ごとに少し違い、単身なら合計所得45万円以下(1級地。給与だけなら年収110万円以下)が目安です。
給付金・保険料の減免・医療費の軽減など多くの支援の対象範囲がこの線で決まるため、住民税の税額そのものより「非課税世帯に入るかどうか」の影響が大きい場面があります。
税額控除で引き切れない分を、現金給付として受け取れる仕組み。
所得税から控除しきれない人にも支援が届くよう設計された制度で、所得が低い世帯ほど恩恵が大きくなります。
日本では2026年8月に基本方針が閣議決定され、飲食料品の消費税1%と先行給付(2027年4月〜)を経て、2029年度からの本格導入が予定されています。
社会保険・年金
健康保険・厚生年金など、勤め先を通じて加入する公的保険の総称。
狭い意味では健康保険と厚生年金(40歳以上は介護保険)を指し、広い意味では雇用保険や労災保険も含みます。会社員と法人の役員が加入します。
保険料は標準報酬月額をもとに決まり、会社と本人が半分ずつ負担する労使折半が原則です。個人事業主が入る国民健康保険・国民年金と違い、所得ではなく報酬の額で決まるのが最大の違いです。
会社員・法人役員とその家族の医療費をカバーする公的医療保険。
窓口負担は原則3割で、残りを保険が負担します。運営するのは協会けんぽか健康保険組合です。
保険料は標準報酬月額×料率で労使折半。被扶養者に入れた家族の保険料はかかりません。国民健康保険は加入人数ぶんの均等割がかかるため、家族が多いほど差が開きます。
全国健康保険協会が運営する健康保険。中小企業の多くが加入する。
正式には全国健康保険協会管掌健康保険。健康保険組合を持たない事業所が加入します。
保険料率は都道府県ごとに異なり、令和8年度はおおむね9.2〜10.6%(労使合計)です。これに介護保険料率1.62%(40〜64歳)と子ども・子育て支援金率0.23%が加わります。
大企業や業界団体が独自に設立・運営する健康保険。
組合ごとに保険料率と給付を決められるため、協会けんぽより料率が低い組合や、自己負担をさらに軽くする付加給付を持つ組合があります。
退職後に任意継続を選ぶときの保険料や上限も組合ごとに違うので、退職前に組合の規約を確認します。
会社員・法人役員が加入する公的年金。国民年金に上乗せされる。
保険料率は18.3%(労使折半で本人9.15%)で固定されています。標準報酬月額にかけて計算し、下限は88,000円(報酬月額93,000円未満)、上限は650,000円です。
役員報酬を月4万円台まで下げても、厚生年金は下限の88,000円で計算されるためそれ以上は下がりません。納めた分は老齢年金の報酬比例部分として戻ってきます。
社会保険料の計算に使う、報酬を等級にあてはめた金額。
毎月の報酬をきりのよい等級に区分したもので、健康保険は58,000円〜1,390,000円の50等級、厚生年金は88,000円〜650,000円の32等級です。
原則として4〜6月の報酬で1年分が決まり(定時決定)、大きく変わったときは随時改定されます。役員報酬を低く設定すると社会保険料が下がるのは、この仕組みによるものです。
保険に加入して保険料を負担する本人。
公的年金では働き方で3つに分かれます。自営業者・学生などが第1号、会社員・公務員が第2号、第2号に扶養される配偶者が第3号被保険者です。
健康保険で被保険者に扶養されていると認められた家族。保険料はかからない。
年収130万円未満(60歳以上や障害のある人は180万円未満)で、被保険者の年収の半分未満であることが主な条件です。
人数が増えても保険料は変わりません。加入人数ぶんの均等割がかかる国民健康保険との差が大きく開く要因です。税の扶養控除の判定(合計所得48万円以下)とは別の基準なので、片方だけ外れることもあります。
会社員・公務員に扶養される配偶者。国民年金の保険料を自分で払わなくてよい。
20歳以上60歳未満で、年収130万円未満などの条件を満たす配偶者が該当します。保険料の負担なしで老齢年金の基礎部分が積み上がります。
収入が増えて条件を外れると第1号(自分で国民年金を納める)または第2号(勤め先の社会保険に入る)になり、負担が生じます。これが年収の壁の一つです。
収入が一定額を超えると税や社会保険の負担が生じ、手取りの伸びが鈍る境目。
税の壁(配偶者控除・配偶者特別控除の判定)と社会保険の壁(106万円・130万円)があり、金額の影響が大きいのは社会保険側です。
社会保険の加入義務が生じると被扶養者から外れ、保険料の本人負担が始まります。そのぶん高額療養費や傷病手当金、将来の老齢年金の上乗せは手に入ります。
退職後も最長2年、退職前の健康保険に加入し続ける制度。
退職日の翌日から20日以内の申請が必要で、1日でも過ぎると使えません。
会社負担が無くなるため保険料は全額自己負担になりますが、標準報酬月額に上限(協会けんぽの令和8年度は32万円)があり、被扶養者を保険料なしで入れられます。前年の所得が高い人や扶養家族が多い人は国民健康保険より安くなることがあります。
病気やけがで働けないとき、健康保険から生活を支えるために出る給付。
連続して3日休んだあとの4日目から、標準報酬日額の3分の2が通算1年6か月まで支給されます。
健康保険の給付なので、国民健康保険には原則ありません。個人事業主がマイクロ法人の社会保険に入ると使えるようになる給付のひとつです。
産前産後に働けない期間、健康保険から出る給付。
出産予定日前42日(多胎は98日)から出産後56日までのうち休んだ日について、標準報酬日額の3分の2が支給されます。
傷病手当金と同じ健康保険の給付で、国民健康保険には原則ありません。育児休業中の給付は雇用保険の育児休業給付金で、別の制度です。
1か月の医療費の自己負担が上限を超えたとき、超えた分が戻る制度。
上限額は年齢と所得区分で決まり、2026年8月の改定で引き上げられました。同じ世帯の自己負担を合算できる世帯合算、直近12か月で4回目以降は上限が下がる多数回該当もあります。
マイナ保険証か限度額適用認定証を窓口で示せば、上限までの支払いで済みます。健康保険・国民健康保険のどちらにもある給付です。
介護サービスの費用を支える公的保険。40歳から保険料の負担が始まる。
40〜64歳(第2号被保険者)は健康保険料と一体で徴収され、協会けんぽの令和8年度の料率は1.62%です。65歳以上(第1号)は市区町村に直接納めます。
40歳になる月から負担が始まるため、社会保険料や国民健康保険料の試算では年齢の確認が必要です。国民健康保険では介護分として保険料に上乗せされます。
75歳以上(一定の障害がある人は65歳以上)が加入する医療保険。
それまでの健康保険・国民健康保険から自動的に移り、保険料は都道府県の広域連合が決めます。窓口負担は原則1割(一定以上の所得は2割・3割)です。
現役世代が払う保険料に含まれる「後期高齢者支援金分」がこの制度の財源の一部です。国民健康保険の内訳にこの区分が出てくるのはそのためです。
国民健康保険料の計算
前年の所得に応じてかかる部分。国民健康保険料と住民税の両方にある。
国民健康保険では「前年の総所得金額等 − 基礎控除43万円」に自治体の料率をかけます。医療分・後期高齢者支援金分・介護分・子ども子育て支援金分の区分ごとに料率が決まっており、毎年改定されます。
同じ所得でも住む市区町村で年に10万円以上変わることがあります。住民税にも所得割(標準10%)があります。
所得に関係なく、1人あたり(または1社あたり)定額でかかる部分。
3つの場面で出てきます。国民健康保険では加入者1人ごとに定額(世帯人数ぶん)、住民税では所得にかかわらず年5,000円前後(均等割4,000円+森林環境税1,000円)、法人住民税では赤字でも年7万円程度からです。
国民健康保険の均等割には、所得が低い世帯向けに7割・5割・2割の法定軽減があります。健康保険の被扶養者には均等割が無いため、家族が多い世帯ほど法人の社会保険との差が開きます。
国民健康保険料のうち、1世帯あたり定額でかかる部分。
採用するかどうかは自治体によって異なり、東京23区のように平等割が無い自治体もあります。
世帯人数に関係なく1世帯につき定額なので、単身世帯ほど1人あたりの負担が重く出ます。固定資産税額に応じた資産割を持つ自治体も一部にあります。
申告のミスとペナルティ
期限までに確定申告しなかったときに上乗せされる税。
納める税額に対して原則15%(50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%)が加算されます。
税務署の調査前に自分から申告すれば5%に軽減されます。延滞税は別に日数分かかるので、遅れていても早く出すほど負担は軽くなります。
申告した税額が少なすぎたときに上乗せされる税。
追加で納める税額の10%(期限内申告の税額または50万円を超える部分は15%)が課されます。
調査の通知が来る前に自分で修正申告をすれば課されません。誤りに気づいた時点で自主的に直すのが、いちばん負担の軽い対応です。
意図的に隠したり偽ったりした場合の、最も重い上乗せの税。
申告していた場合は35%、無申告だった場合は40%が本税に上乗せされます。
売上を故意に隠す、架空の経費を計上するといった仮装・隠蔽があったときに適用され、延滞税も重なります。悪質なものは刑事事件として脱税罪に問われることもあります。
納付が遅れた日数に応じてかかる、利息にあたる税。
法定納期限の翌日から納付日までの日数で計算します。納期限から2か月以内は低い割合、それを過ぎると高い割合が適用され、割合は年ごとに見直されます(最新の割合は国税庁の公表値を確認してください)。
加算税とは別に、遅れた日数ぶんだけ積み上がります。一括で払えないときは、放置せず税務署に相談して分割の猶予を申し出るほうが総額は小さくなります。
補助金の手続き
補助金の条件・対象経費・期限・提出書類をまとめた募集要項。
補助金は公募要領が唯一の正本です。対象者・補助率・上限額・対象になる経費とならない経費・審査の観点がすべてここに書かれています。
同じ名前の補助金でも回(次)ごとに条件が変わります。必ず申請する回の最新版を読み、解説記事は補助として使います。
採択されたあとに、補助金の交付を正式に求める手続き。
公募に応募して採択されただけでは、まだ補助金は使えません。採択後に経費の内訳を精査した交付申請を出します。
交付決定を受けてはじめて発注・契約ができます。順番を取り違えて先に発注してしまい対象外になるのが、最も多い失敗です。
補助金を出すことが正式に決まった通知。事業を始めてよい合図。
交付決定の日より前に契約・発注・支払いをした経費は、原則として補助の対象になりません。EV補助金のように、車両の初度登録が交付決定後であることを条件にするものもあります。
着手のタイミングを決める最重要の日付です。見積の取得は前でもよいことが多い一方、発注は必ず後——この線引きは公募要領で確認します。
公募に出した事業計画が審査を通ること。
採択率は補助金によって大きく異なります。採択は交付の約束ではなく、このあと交付申請と交付決定の手続きが続きます。
不採択でも次の回に再挑戦できるものが多く、審査の観点は公募要領に明記されています。加点項目を先に確認してから計画を書くほうが通りやすくなります。
かかった経費のうち、補助金が負担してくれる割合。
3分の2、2分の1、5分の4などの形で示され、これに上限額が組み合わされます。補助率3分の2・上限200万円なら、経費300万円で上限に達します。
残りは自己負担で、しかも先に払って後から受け取るのが原則です。手元の資金が足りるかを先に確かめてから申請します。
相続・贈与
1月1日から12月31日までの贈与に、年110万円の非課税枠を使う方法。
非課税枠は受け取る人1人あたり年110万円です。子2人に110万円ずつなら合計220万円を非課税で渡せます。
相続開始前の一定期間の贈与は相続財産に足し戻されるため、早い時期から続けるほど効果が出ます。もう一方の選択肢が相続時精算課税で、いったん選ぶと同じ贈与者からの暦年贈与には戻れません。
生前贈与を2,500万円まで非課税にし、相続のときにまとめて精算する制度。
60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選べます。2,500万円を超えた部分には一律20%の贈与税がかかり、相続時に精算します。
2024年の改正で毎年110万円の基礎控除が新設され、この枠内なら申告不要で相続財産への足し戻しもありません。相続が近い場合は暦年贈与より有利になりやすい一方、選択後は取り消せません。
亡くなった人の自宅や事業用の土地の評価額を、大きく下げられる特例。
自宅の土地は330平方メートルまで評価額が最大80%減額されます。事業用・貸付用の宅地にも別の上限と割合があります。
居住や事業の継続などの要件があり、この特例で税額がゼロになる場合でも相続税の申告が必要です。法定相続人の数で決まる基礎控除とあわせて、課税されるかどうかを大きく左右します。
民法で定められた、遺産を相続する権利がある人。
配偶者は常に相続人で、これに子(第1順位)、親(第2順位)、兄弟姉妹(第3順位)が順位で加わります。上の順位がいれば下の順位は相続人になりません。
相続税の基礎控除は法定相続人の数で決まるため、人数が課税の有無に直結します。相続放棄があっても、この人数の計算では放棄が無かったものとして数えます。
立場別ガイドで実際の使い方を見る
用語の意味をつかんだら、立場別のガイドで具体的な使い方・節税のポイントを確認できます。
参照元・公式情報
本記事は以下の公式情報をもとに作成しています。制度は改正されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
※ 本記事の内容は情報提供を目的としており、税務・法務アドバイスではありません。個別の税務判断については、所轄の税務署または税理士にご相談ください。



